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ベリーダンスに関する気づきを綴ったエッセイ集

女神を体現する

“Joie De Vivre” by Josephine Wall   先日のベリーダンスレッスンでの出来事です。 最後のフリーダンスの時間に輪を作ってひとりひとり数分間、順番に真ん中で踊ってもらいました。 選んだ曲がamamaniaの”Aphrodite”という曲で、波の音から始まり、とても官能的で雰囲気のある曲なので、 「自分が人魚、または海の女神になった気分で、地上の女性たちに愛と癒しを送る気持ちで踊ってください」 と伝えました。 まだ3、4回しかレッスンに来たことのないYちゃんが真ん中に出て踊り始めました。 当然ながらまだ動きのレパートリーは少ないし、動きがぎこちない時もあるのだけれど、その表情は慈愛に満ちた女神そのものでした。そしてその目にははっきりとした意図が宿っていました。 彼女が私に近づき、私に向かって腕を回し始めると、そこから発せられるエネルギーに思わず私の体も一緒に動いてしまうほどの「気」を放っていました。彼女の放つエネルギーはまさしく愛と癒しで、その表情や動きに心も体も動かされ、言葉にならない感動を覚えました。Yちゃんはまさに女神を体現していました。 後日、そのことを彼女にメールで伝えると、 「ありがとうございます。あの時はすいっと女神スイッチが入ってしまいました。(この人の願いごとが叶って欲しい!この人が本来持っている力を発揮して幸せになって欲しい!)もう、女神のわ*そのものでした。ベリーダンスの動きの型にあるのかどうかわかりませんが、腕をぐるぐる回してボルテックスだ!エネルギー送るぞ!みたいな。そういう部分が自分にあるということに驚きました。」 *女神のわは私が満月の夜に開催している女性達がテーマに沿って話し合う集い。 そんな返事が返ってきました。 彼女はベリーダンスの真髄に触れたようです。 それは自分の中にある「女神性」に気づいて、体現すること。 それができて始めて踊りが意味をもつほど、大切なことです。 Yちゃんのメッセージは私にとっても大きな励みとなりました。 ありがとう~。

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ベールダンスは「今」を生きること

Photo by Hirono ベリーダンスの踊りのスタイルは多様ですが、中でもベールを使って踊るベールダンスはとても幻想的で美しい踊りです。 ベールダンスの魅力のひとつは、踊っている環境やちょっとした触れ方、動き方によってベールの表情が変わること。特にシルク素材のベールはとても軽いため、ちょっとした空気の動きで思いがけない動きをします。つまり踊り手はベールの動きを予測することができないし、完全にはコントロールすることができません。ましてや野外で踊ろうものなら風の流れでまるで命を吹き込まれたかのように勝手に動きます。 上に投げたベールが落ちてきたところを旋回しながら腕でふわっと絡めとる動きがあります。でもベールがどのように落ちてくるかは毎回違うのでうまく腕に絡んでくれるか分かりません。場合によっては床に落ちてしまうこともあります。 でも踊りは生物(なまもの)なので、何があっても踊り続けます。床に落ちたベールは優雅に拾い上げて次の動きに入ります。観客からすればそれが元々の演出であったかのように。 私のベリーダンスの師匠、Mishaalは”There are no mistakes in veil dance.”「ベールダンスに失敗はありません」と断言していました。 つまり、予定外のことが起きても「あ、失敗した!」と思わずに踊り続けるのです。ライブのパフォーマンスではハプニングがあった時こそ、踊り手としての力の見せどころで、人柄がにじみ出る場面でもあります。うまくリカバリーができた時に観客も感激します。 ハプニングに対処するためにはもちろんある程度のスキル(技術)は要りますが、何よりも大切なのは”Being in the moment.”、つまり「その瞬間に存在する(または意識を集中する)こと」。 ベールダンスでなくとも、踊っている時には何が起きるかは分かりません。足場が悪くてふらついたり、衣装の一部がとれてしまったり、音楽が突然止まってしまったり…。でも、「あ~、失敗したぁ~!」と過去を振り返らず、あるいは「失敗したらどうしよう!」と未来を心配せず、その時その場に完全に意識を集中して踊れば、あらゆることに冷静に対処できます。 ちょっとした空気の流れで動いてしまうベールを扱うベールダンスはその瞬間に意識を集中しているどうかを最も試される踊りかもしれません。 ベールで踊るということは、「今」という瞬間に完全に身を委ねることでもあります。「何が起きても大丈夫…」と。 だからこそベールダンスには見る人を魅了する美しさがあるのだと思います。 そしてベールダンスは人生そのものを教えてくれます。 次に起きることを完全には予測ができないしコントロールすることもできない。でも何が起きても失敗ではなく、そこから立ち上がって生き続ければ良い。そのためには過去を振り返らず、また未来を心配せずに「その瞬間を生きる」ことが大切で、「何が起きても大丈夫…」という確信をもって「今」という瞬間に自分を委ねる。 「踊ること」は「生きること」の比喩としてよく使われますが、今回はその中でも私が踊る上、そして生きる上でも大切だと感じていることをいくつか取り上げてみました。

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美しい手と腕の動き

Photo by Hirono Awa Belly Danceでは今月から「風」をテーマにレッスンがスタートしました。 風を象徴する動きではプロップス(小道具)としてベールを使うことが多いのですが、ベールの動きを休めた時には「手」や「腕」が活躍します。 ベリーダンスでは手や腕の動きを美しく見せるためのいくつかのコツがありますが、その中でも大事なのが強く張ったら、そのあとは必ず緩めることです。張っては緩める、張っては緩めるを繰り返すことでベリーダンス特有のなめらかで神秘的な手の動きになります。 私にとってベリーダンスの魅力のひとつは、動きの中に自然の法則や本来の生き方を見出すことができることです。 手や腕の動きから感じるのは、常に力を入れっぱなしだと不自然だし疲れてしまうということ。かと言って緩めっぱなしだとしまりがない。意識を張り詰めたり、力いっぱい行動に出た後には必ず休息が必要です。そして休息があるからこそ、次なる行動を起こす力を蓄えることができるのです。 現代社会では意識を張り詰めた状態が圧倒的に多い気がします。常に活動していることを良しとし、休むことは良くない、という観念に縛られているように思います。きっと活動=生産している=時間の有効活用、休息=生産していない=時間のムダ、という図式なのでしょう。私のように自然の中で生きていても、都会生活で身につけた癖なのか、あるいは逆に田舎生活の方が色々とやることが多くて忙しかったりするせいか、気づくと休みなしで動いてしまいます。力を抜くこと、緩めることを大事にできればもっとバランスの良い生き方ができると思います。    

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